ホテル・旅館でWebの集客をするために日々OTAの運用や料金調整など施策を行なっているかと思います。

その集客を行う中で、中長期的視点は持って運用はできていますか?

今回は、潜在的ニーズを持つ顧客を意識した施策についてご紹介します。

宿泊業界の集客の現状

現在の宿泊施設のWeb集客の現状は、PCやスマホユーザーが増え、OTAの運用で集客を行なっている宿が多い印象です。その中でもSNS運用ができているところは、ごくわずか。

日々の業務に追われ人件費の予算が足りず、SNSは運用を継続できなくなっていたり、Web担当者がいるもののどのようにSNS運用を行うべきかあわからないという方が多いようです。

確かにOTAの運用はすぐに売り上げに直結するため、運用することは必須です。しかし、この現代にいろんなWebサービス・アプリが存在する中でOTAだけの運用で良いのだろうかと考えに至ったことはあるのではないでしょうか。

できれば自社集客の割合を少しずつ増やし、経費を抑えていきたい、または自社集客の割合を増やし、売り上げを拡大していきたいなど願望はあるが、手が回らず結果的に優先順位は下がり直接的に売り上げに繋がるOTAの運用だけ行なっているのではないでしょうか。

中長期的にみて、もし御社の売り上げを伸ばしていくなら、【潜在的ニーズを持つ顧客】を意識した施策を考える必要があります。

ペルソナ(ターゲット)のニーズを考えよう

AISASというユーザーの購買に関する心理行動の頭文字をとった、株式会社電通が提唱するマーケティング用語があります。

・AISAS
A…Attention(注意)
I…Interest(関心)
S…Search(検索)
A…Action(行動)
S…Share(共有)

このAISASに当てはめて、旅行者の心理行動を考えてみましょう。

旅行者が宿泊するために検索する行動というのは、【旅行したいから宿泊する宿を決めたい】という顕在的欲求に基づく検索行動なのです。AISASでは、【Search(検索)】にあたります。

つまり顕在的欲求のあるユーザーを獲得するためのWeb集客というのが、多くの宿泊施設で使用しているOTAや代理店でツアーの販売など、予約にすぐ直結する施策ということになります。

では、今すぐには旅行にはいかないけど、例えば来年また旅行に行きたいと心の中で意識していない潜在的な欲求を持つユーザーに対しての施策はどうしたらいいのか。それは、今後予約をしうる見込みのあるユーザーに引き上げることが必要になります。

今すぐに宿泊する宿を決めたいという顕在的ニーズのあるユーザーは、旅行・出張の日程が決まっている人です。

見込みのあるユーザー(以後見込み顧客)は、まだ日程が決まっていなくて検索するまでには至らないけど、日程が決まったら予約をしようと考えている人になります。

ではこの見込み顧客は日程が決まったら宿を探す行動に移るのですが、この見込み顧客は何を基準に宿を最終的に決めるのでしょうか。

見込み顧客を自社の宿のファンにする

わかりやすくいうとリピーターです。リピーターは完全に御社のファンだから毎年利用しています。これが見込み顧客です。日程が決まり次第、御社の宿に予約しています。
新規のユーザーも同様に検索行動に移る前に、御社のファンになってもらえば良いのです。

見込み顧客は、すでにファン(好感度が高い状態)だった場合、その旅行先のエリアにファンの宿があれば、すぐに頭の中でその宿のことを思い出します。(想起率)

そして旅行の日程が決まったら、そのエリアで検索する行動にうつり、その見込み顧客に最終的に選ばれる確率が格段に上がるようになります。

つまり、ユーザーの好感度を上げてファンにすることで御社の宿を想起させ、価格勝負をしなくても、その宿が好きだから予約するようになり、最終的に売り上げにも影響してくるようになるのです。

ファンになれば売上もアップ

ここで具体例を上げます。私の母ですが毎年東京へ病院に通うために、ホテルを予約します。

私が、安くていいホテルがあると探して教えても、「毎年このホテルに決めているから。」と言うのです。

理由を尋ねてみると、「部屋の広さ、対応、立地がいいから」とのこと。

もう、母は予約する決め手は価格ではないのです。これがつまりは、そのホテルのファンになっているという事です。

もちろん空室があれば、価格調整を行っても良いですが、こうやってファンが増えてくれば価格が決め手にはなっていないので、初めから価格を安くする必要もなくなり結果的に売り上げもアップするということです。

潜在的顧客を見込み顧客にするためには

もう1度【AISAS】の表を振り返ってみて下さい。潜在的にニーズのある顧客を見込み顧客にするための施策は、以下の施策が良いと思います。

SNS運用

SNS運用はファンにするために最も効果的な施策です。SNSは、Facebookやinstagram、Twitter、Youtube、Tiktokなど数多く存在します。また現代社会ではスマホを持っているのが当たり前の時代になっており、OTAからの予約もスマホユーザーの予約が多くを占めている状態です。

そのため、SNS運用は見過ごしてはいけないのです。またSNSは情報伝達スピード、拡散力、そして常にアクティブなユーザーが存在しているという強みがあります。

その強みに対してSNSの運用を行う事で、御社の宿のファンを獲得しすぐには予約に繋がらなくとも、いつか泊まってみたい一つの宿として、ユーザーの心に刻まれるのです。

SNSの運用に関しては、媒体ごとの特徴を活かしながら、何を目的に運用していくのかをしっかり定めて運用していきましょう。

メルマガ

メルマガはリピーターになりうるツールの一つです。じゃらんnetや楽天トラベルなどメルマガ配信できる使用があります。例えば宿泊者にお礼のメールをする事やお得なお知らせを配信するなど、ここでもファンになってもらえるツールなので使用していきましょう。

まとめ

目の前の売り上げも大事なのでOTAの運用を行いながら、時間を作って潜在的ニーズのあるユーザーに興味関心を持ってもらい、ファンに育て見込みのある顧客へ引き上げていきましょう。そうする事で、この先の未来の売り上げも大きく伸ばしていけるようになります。

SNS運用などよくわからない、やりたいけど時間が足りないなどお悩みがある場合は、一緒に考えていきますのでお気軽にお問い合わせ下さい。